ENDOR雑記

束、洋書関連の個人的メモ書き。

07/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31./09

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

[edit]

trackback: -- | comment: --
page top

オンライントールキン講座 受講メモ8 第三週のまとめというか

 真の伝統の創造(invention)としての「Lost Tales」

という三番目の項目には関連資料がないんですが、とりあえずFimi先生が書かれた内容をまとめておきます。

ところで、「the Book of Lost Tales」について詳しく書かれている日本語のサイトがあればいいんですが、見つからないです。指輪好きなひとでも、あんまり読まないのかな?

とりあえず

「Lost Tales」は、シルマリルの原型であり、同じエピソードも多く見られるのですが、決定的に異なるのは、この物語が現実に繋がる「枠組み」を持っているという事です。

まず、エリオルという登場人物がいるのですが、初期バージョン(未完なので、色々バージョンがある)では、この人の子供は、彼等の父(あるいは祖先)にちなんで「Hengest and Horsa」と名付けられています。
「Hengest and Horsa」については、
http://www.asahi-net.or.jp/~aw2t-itu/enghist/oe.htm
のサイトが参考になるでしょうか?いきなりアングロサクソン語が流れてくるすごいサイトです。しかしリンクフリーなのか分らない。無断ごめんなさい。

という訳で、シルマリルや指輪、特に指輪物語などは雰囲気は確かに英国なのですが、現実的な繋がりはありません。ですが、「Lost Tales」はこのエリオルという人物によって、イングラントの地と人に繋がっているわけです。

初期バージョンでは、このエリオルの生きた時代が、ブリテン島にアングロサクソン人がやってきた頃になっていて、後期バージョンでは、ノルマン征服の頃になっています。
(だからFimi先生はこの頃に関する文献をたくさん紹介なさった訳です。)

ですが、指輪物語を執筆した後にトールキンがこのエリオルの物語に戻ることはありませんでした。Fimi先生の講義でも、、シッピー氏の論文でも、この時点で、トールキンは「英国の神話」を創作することは諦めたのだと書かれています。

その論拠は、1951年Milton Waldman宛のトールキンの手紙の中にある
「“Do not laugh! But once upon a time (my crest has long since fallen) I had a mind to make a body of more or less connected legend…”」
です。

だったらシルマリルは一体なんのために書かれた神話なんだろう?と私は思いました。シッピー氏は「anyoneのため、」と書かれていますが、その論拠はどこにあるんだろう。シッピー氏の論文の中のどこかにあるのでしょうか?
しかし、講座で紹介されているシッピー氏の論文を読むのだけでも、大変です。シッピー氏の論文読んで一生が終わったらどうしてくれよう。






スポンサーサイト

category: トールキンオンライン講座 第三週

thread: 勉強日記

janre: 学問・文化・芸術

[edit]

page top

オンライントールキン講座 受講メモ7 (2) トールキンの神話プロジェクトに関する関連資料

*Billie Melmanによる「Claiming the Nation's Past」
またまた長い論文です。
主に19世紀中頃にあったイングランド内の学会、あるいは学識者の風潮に関することが中心に書かれています。

少し話が外れますが、日本からみた一つの国家イギリスは実際はイングランド、ウェールズ、スコットランドの合体したものです(アイルランドはまた複雑みたいなのでちょっと外します)。これらの合体がブリテンです。歴史的に見て、イングランドの人たちは大陸から渡ってきたサクソン人が祖先となっています。

このサクソンの伝統を見出そうというある種のムーブメントが生じたのが、19世紀中ごろだったというわけです。19世紀中ごろの作家や歴史学者達が注目したのが、1066年のノルマン征服以前のアングロ・サクソン人の時代です。特に当時の作家達はアングロ・サクソンの英雄を劇的な物語として書くことに意義を見出したらしいです。

劇的な物語として、英雄の私的な面を描くことによって、それ以前には表にでることのなかった面もでてきます。それは女性の描写であるとMelmanは指摘します。封建制度の下で、男性は公的、女性は私的、という図式があったようです。けれども、私的な女性を物語に描くことによって、女性も公的な位置に上がるわけです。同時にその他の下層とされていた階層も表面に浮上してきたとしています。それは19世紀半頃の時代背景の要求とも一致しています。

こうして、アングロサクソンの伝統は、19世紀半ばの作家達の作品が一般に広められることによって、その後のイングランドに強い伝統意識(むしろ精神や世界観といった方が近い気がします)に作用し、ある意味、伝統が創作されたのだということです。

この論文とトールキンの関連性は、Fimi先生によると、
「Lost Tales」の登場人物Eriol(エリオル)が生きた時代が、
*最初の頃の話では、サクソン人がブリテン島に移住した頃である。
*後の(変更した)話では、ノルマン征服頃である。

という事に基くものらしいです。

*ベオウルフに関する簡単な説明(Bullfinchの神話に関するサイトの記事)
ベオウルフの概要です。(書くの疲れてきました)。

*英国図書館のサイトのギャラリーにあるベオウルフ情報http://www.bl.uk/onlinegallery/themes/englishlit/beowulf.html

*Akseli Gallenのカレワラ関連の絵のギャラリー・サイト
http://www.niksula.cs.hut.fi/~xyu/kale-gb/gapic.html

category: トールキンオンライン講座 第三週

thread: 勉強日記

janre: 学問・文化・芸術

[edit]

page top

オンライントールキン講座 受講メモ6 (1)イングランドの神話についての関連資料

*Bascomによる「The Forms of Folklore」
・Myth ・ Legend ・ Folktale
上記の概念の定義を明確にするための論文。やたら長いです。色々と細かいことが書いてありますが、それぞれ日本語の「神話」、「伝説」、「民話」の概念に相当するものと解釈してほぼ問題ないような気がします。

*Benedict Andersonによる「Imagined Communities(抜粋)」
「想像された共同体」とでも訳せばいいのでしょうか?
国家とは、想像上の政治共同体である、と定義するものみたいです。昔、サブカルチャー的な雑誌を読むとよく「共同幻想」だの、吉本隆明だのというのが出てきました。(読んでませんが)
なんか関係あるんでしょうか?

*Hobsbawmによる「Invented traditions' in history(冒頭部分)」
伝統的な儀式や象徴は、近年になって造られたもの、あるいは再構成されたものが多いということ。

*MacphersonのOssian詩の偽造について
スコットランドの詩人マクファソンが、オシァン詩を偽造した件について書かれてます。
日本語でこの件に関してかいてあるサイトを見つけました。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/oisein/index.htm#under
http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/oisein/pres.htm

*IoIo Morganwgの人生について
ウェールズのエドワード・ウィリアムズ(IoIo Morganwg イオロ・モーガヌッグ))について書かれています。
今はウェールズで国家的な伝統行事となっているゴルセッズの創始者らしいです。
日本語で説明してあるサイト
http://aitech.ac.jp/~yoshiga/WALES/eisted.html

*ウェールズにおけるアイステッヅヴォッドの伝統儀式
上記のサイトで参照できます。

*Michel Branchの「カレワラ」の記事の紹介
カレワラの概要が書かれています。
「カレワラ」は、日本では小泉保の邦訳が岩波文庫から出ています。この邦訳には成り立ち等も書かれてあるので参考になります。
余談ですが、去年12月に読売ホールで新田ユリさん(だったっけ)指揮のオケがあって、シベリウスのクッレルボ(カレワラの一部)を演奏されてました。このオケの前に小泉さんが少しカレワラについて講演されてて、面白かったです。演奏も素晴らしかった。

もう一人、女性の方(名前忘れました)がやはりカレワラについて講演されていたのですが、彼女によると、カレワラの素材として集めた中には、フィンランドではなく他の地域から収集されたものが結構あるらしいとの事でした。政治的な内容も含まれていたようなので、あまりよく分らないのですが。

*シッピーによる論文「トールキンとアイスランド」

これもものすごく長い論文なのですが、結論的には、

トールキンは、「現代(トールキンの生きている時代の現代)のアイスランド語と、北方言語(北欧の言語)は、古くは同じ言語であった。そして、同じ言語であった元の言語とは、まさしくアングロサクソン言語である古英語なのだ。だから、アイスランドの神話や、北欧神話を古英語で書けば、それがイングランドの神話になるはずだ」と考えて、アイスランドや北欧神話を元にイングランドの神話を書こうとした。

という、凄いものなんですが、実際にホビットやシルマリルの中に出てくる名詞を例に挙げて細かく説明されるとなんか納得してしまいます。

凄いなシッピー!!

長くなったので続きます。

category: トールキンオンライン講座 第三週

thread: 勉強日記

janre: 学問・文化・芸術

[edit]

page top

オンライントールキン講座 受講メモ5 第三週

今週はトールキン教授の「ホビット」以前の作品「Lost Tales」が中心となります。
「Lost Tales」はHoMeの1,2巻に相当するのですが、邦訳がないので、日本人には辛い。私は数年前に読みました。そして今では内容を忘れています。

「Lost Tales」は、イングランドの神話を書く(編纂する)目的で書き始めたものです。ですがトールキン教授は途中で執筆を断念しました。断念したものの、Lost Talesに書かれている内容は、後の「シルマリルの物語」に受け継がれているので、完全な失敗作として没にした訳ではないようです。

そこでFimi先生の講義は下記のテーマに分かれます。

1 イングランドの神話について
関連資料
*Bascomによる「The Forms of Folklore」
*Benedict Andersonによる「Imagined Communities(抜粋)」
*Hobsbawmによる「Invented traditions' in history(冒頭部分)」
*MacphersonのOssian詩の偽造について
*IoIo Morganwgの人生について
*ウェールズにおけるアインステッドの伝統儀式について
*Michel Branchの「カレワラ」の記事の紹介
*シッピーによる論文「トールキンとアイスランド」
2 トールキンの神話プロジェクト
関連資料
*Billie Melmanによる「Claiming the Nation's Past」
*ベオウルフに関する簡単な説明(Bullfinchの神話に関するサイトの記事)
*英国図書館のサイトのギャラリーにあるベオウルフ情報
*Akseli Gallenのカレワラ関連の絵のギャラリー・サイト
3 真の伝統の創造(invention)としての「Lost Tales」
関連資料は無し。


これ以上は長くなるので、今週の講義について何回かに分けて書きます。

category: トールキンオンライン講座 第三週

thread: 勉強日記

janre: 学問・文化・芸術

[edit]

page top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。