ENDOR雑記

束、洋書関連の個人的メモ書き。

02/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31./04

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

[edit]

trackback: -- | comment: --
page top

3 さらなる影響、トールキンとスペンサー、ミルトン関連資料



*スペンサーの紹介、「妖精の女王(Fearie Queene)」や他の詩
スペンサーはシェークスピアと同時期のイングランドの詩人です。やはりシェークスピアと同じくトールキンはこの詩人を嫌っていたそうです。有名な「妖精の女王」はエリザベス女王一世に捧げられたもので、未完にもかかわらずかなりの成功を収めたそうです。
スペンサーが「妖精の騎士」をエルフと表記したことに対し、それが妖精の本来の伝統であると肯定しながらも、トールキンは彼の書いたものは(トールキンの嫌う)寓話であるとして、嫌ったとのことです。
シッピー氏は、指輪物語の「エルロンドの御前会議」の章でビルボがくちずさんだ詩は、「妖精の女王」に出てくる魔法使いマーリンの予言からの影響がみられることを指摘しています。

*Zach Watkinsの論文「Satan and The Silmarillion: John Milton's Angelic Decline in J. R. R. Tolkien's Melkor」

ミルトンはそれより後の作家です。「失楽園」が有名です。トールキンがミルトンを名指しで嫌ったような記録はないのですが、シッピー氏はおそらくトールキンがあまり好かなかった作家として分類しています。ミルトンはプロテスタントであり、トールキンはカソリックであることも一因なのでしょう。
ですが、ミルトンが「失楽園」で示した善きものの堕落といったテーマは、トールキンが作品の上でも、また人としても重要視した主題だったのです。

Zact Watkinsの論文では、「失楽園」の堕落した天使、サタンと堕落したヴァラ、メルコールの共通点に注目しています。また、「失楽園」の序説を書いたC.S. ルイスの影響も少なからずあるだろうとしています。
私も去年ぐらいに岩波文庫の邦訳を手にしたのですが、サタンとメルコールがよく似ていることに驚きつつ読んでいました。

スポンサーサイト

category: トールキンオンライン講座 第六週

[edit]

page top

2 トールキンとシェークスピア 関連資料



*シェークスピアの「マクベス」の紹介
*シェークスピアの「マクベス」の全文
「マクベス」は有名なので割愛します。あの「バーナムの森」です(笑)。
トールキンのシェークスピア嫌いは有名です。シッピー氏は、当時オックスフォード大学では、シェークスピア以降の文学を教える一派と、古英語を教える一派との間で争いがあったという点に注目し、トールキンの当時の立場に言及しています。

が、ただ嫌いだったわけでもないのですね。
「マクベス」や「真夏の夜の夢」を深く読んでいなければ、そこからインスピレーションを得るということも無いですから。


*Michael D. C. Droutの論文「Tolkien's Prose Style and its Literary and Rhetorical Effects」
Michael D. C. Drout氏はアングロ・サクソン語の教授で、「Children of Hurin」が出たときにも、書評をいち早くブログ(http://wormtalk.blogspot.com/)に書かれていました。
実際、私は初めてDrout氏の論文を読んだのですが、これは非常に面白い論文でした。王権といったテーマを中心に、「リア王」と「指輪物語」の関連性を紐解くものです。

リア王、デネソール、ナズグルたちの首領との共通点を見事な三段論法で解き明かしています。私は三段論法の活用法を、ここで初めて理解しました。

リア王とデネソールの共通点は明らかです。では何故ナズグルの首領(Ring Wraiths)も共通とされるのか。

ナズグルの首領、すなわち指輪の幽鬼は、もともと人間であったとされています。人間達のうちでも高貴な王であった彼等がサウロンから与えられた指輪によって支配され、堕落したのです。Drout氏は、おそらく彼等はヌメノールの血筋を持つ王達であろうとしています。
確かにアルダに住むの人間達の中でも最も尊い血統はエアレンディルの血を引くヌメノール人です。

一方、デネソールにもヌメノールの血は流れています。もし、デネソールが何らかの手段で指輪を手に入れた場合、指輪の幽鬼と同じく指輪に支配され、堕落し、やはり彼も指輪の幽鬼と成り果ててしまう可能性が非常に高い。つまりデネソールは指輪の幽鬼の候補者であったということです。

そしてリア王と指輪の幽鬼の関連性は、次の台詞の類似性から導き出すことができます。

リア王
「Come not between the dragon and his wrath」

ナズグルの首領(指輪の幽鬼)
「Come not between the Nazgul and his prey」

リア王は自分自身を竜に見立てて比喩としていっているわけですが、この二つの台詞が良く似ていることは一目瞭然です。そして、この台詞はどちらも自分自身を失ってしまった王(元王)の台詞でもあるわけです。

このようにDrout氏は、リア王、デネソール、ナズグルの首領のトライアングルを解明しています。

さらには、上記のナズグルの台詞を文の構造から分析し、一見ただのアナクロニズムとして受け取られそうな(実際そう見ている人も多い)トールキンの文章は、実は自身の審美学に基いて構築された見事なものであることを証明しています。

シッピー氏といい、Drout氏といい、やはり名だたるトールキン研究者の論文は凄い!




category: トールキンオンライン講座 第六週

[edit]

page top

1 トールキンと「古典の伝統」 関連資料編集 続き

*ローマの詩人ウェルギルウス作のアイネーイスの紹介

wikiでは「アエネーイス」と表記してありました。
ウェルギリウスがホメロスの「トロイ戦争」を基にして書いたものです。何故ここでこの作品が出てくるかというと、

この物語の主人公アエネアスの性格や経歴がアラゴルンと共通する点があること。
また、フロドの旅の展開がこの物語の展開と共通する部分があること。

です。アエネアスは祖国のトロイが失われて失意のうちに放浪し、やがてイタリアの中央地域にたどり着きます。ここがローマであり、後のローマ帝国の繁栄が示唆されます。失われた祖国、その放浪がアラゴルンと共通しています。また、アエネアスはその遍歴の旅の途中で「ハデス」つまり冥界へ旅をします。この冥界への旅は、フロドの旅の通過地点である「モリア」や「死者の沼地」になぞらえることができます。

しかしトールキンはウェルギリウスの作品に対し、賞賛ばかりを抱いていたわけではなく、不満も感じていたようです。ウェルギリウスは、ホメロスの「イリアッド」や「オデッセイ」といったギリシャの原文を脚色し、新たな物語(詩)をラテン語で書いたのです。この事についてトールキンは、

「Alas for the lost lore, the annals and old poets that Vigil knew, and only used in the making of a new thing!」
(とりあえず訳してみます)
「ああ、失われた伝説よ、ウェルギリウスは年代記と古詩を知っていたのだ、だが彼はそれをただ新しい物語にのみ費やしてしまったのだ」
(Beowolf; The Monster and the Critics' からの引用)

シッピー氏によれば、トールキンはこの言葉のうちに、「新しい物語」に集中することが大切なのだという意味合いを込めたのだとしています。
しかし、(Fimi先生の意見では)やはり「Alas」という言葉にはやはりトールキンの失われた伝説に対する嘆きが読み取れるものとしています。そして、これらの失われた年代記の雰囲気を再創造する試みが、History of the Middle Earthにある各種の年代記(annals)なのだろうとしています。

*Sacred Textにある、「アイネーイス」の英訳
未読です。

category: トールキンオンライン講座 第六週

[edit]

page top

1 トールキンと「古典の伝統」 関連資料


この講義では古典の中でも、特にアトランティス伝説を中心とするラテンの古典を取り上げています。
 
まず
*Verlyn Fliegerの論文「Do the Atlantis Story and abondon Eriol-saga」

アトランティス伝説とヌメノール伝説は、多分トールキン研究者にとって良く出てくる命題でしょう。この論文では、初期の「Lost Tales」 そして中期の「Lost Load」、また「Nothin Club Paper」、と時系列にトールキンの作品を見ながら、その中でヌメノールの物語、つまりアトランティス伝説がどういった役割を果たしているのかを追っています。

クリストーファー・トールキンは(HoMe10)で、 「父が“アトランティスの物語を進めよう”と書いたとき、同時に“エリオルの神話を破棄しよう”という意味もそこに込められていたのだ。」
と書いています。

ですが、Verlyn Fliegerは、むしろヌメノールの投入によって、神話的な物語に心理を追求するような要素が加わったのだとしています。
初期の「Lost Tales」では、トル・エレッセアが結局イングランドとなるのですが、後期になるに従いそういった現実の地理との関連性は薄れ、ヌメノールの伝説の投入によって、トル・エレッセアは現実の地理上の拠点を失います。それは、単に昔のアイディアを破棄したということではなく、むしろ、現実の地理との結びつきよりも、自身の神話とアトランティス伝説を結びつけることにより、根源的なイングランド人の記憶と深層心理を描き出すものにしようとしたのだ、という主張です。

(トールキンとアトランティス伝説に関してはカーペンターの伝記を読むと一番良く分ると思います)

*プラトンのアトランティス伝説の簡単な紹介

私はついでに日本版のwikiを読んでおきました。wikiはけっこう詳しいです。

*Sacred Textにある、「Timaeus and Critias」の英訳

プラトンの「Timaeus and Critias(ティマイオスとクリティアス)」英訳です(Sacred Textにはラテン語版までありました)。読んでません。wikiよりもこっち読んだ方がいいとは思うのですが、、、、。

*トールキンのヌメノール伝説の紹介
邦訳の「シルマリルの物語」、「おわらざりし物語」に出てくるヌメノール伝説の要約。

*Miryam Libran-Morenoの論文「Paralle Lives: the Sons of Denethor and the Sons of Telamon」

デネソールの息子達とギリシア神話のテラモンの息子達の共通点を綿々書き綴った論文です。
父テラモンに愛される長男アイアスと異母弟テウクロス。この二人の兄弟は仲が良く、テウクロスはアイアスの盾の影から弓を放っていたとあるほどです。また、長男が向こう見ずな勇猛さを示すのと対照に、次男は冷静で常に控えめというところも似ています。ボロミアとファラミアも性格はまったく異なりますが、非常に仲が良く、ボロミアは小さいファラミアを常に「守って」いました。

トールキン自身によるラテンの古典の影響を示す直接的な発言や文章は残されていないのですが、デネソールの息子達は、上記のラテンの古典をモデルとしたものだと推測されます。
もっともトールキンは幼少時からラテン語を習っていましたし、自身の創造言語も古代のギリシア語がきっかけとなったのだと述べています。トールキンは成長するに従い、北欧の、つまりアングロサクソン的なものへの傾倒をあらわにしていくのですが、決してギリシア・ローマの世界をないがしろにすることは無かったのです。
筆者によると、むしろラテンのクラシックと、北欧の文化の融合がトールキンの世界に見られるのだと言うことです。

残りはまた明日書きます。

category: トールキンオンライン講座 第六週

[edit]

page top

第6週 トールキンと古典

第6週 です。

トールキンと古典、具体的にはシェークスピアの「マクベス」、「リア王」、プラトンのアトランティス伝説、ミルトンの「失楽園」等が出てきます。

講義内容は

1 トールキンと「古典の伝統」

関連資料
*Verlyn Fliegerの論文「Do the Atlantis Story and abondon Eriol-saga]
*プラトンのアトランティス伝説の簡単な紹介
*Sacred Textにある、「Timaeus and Critias」の英訳
*トールキンのヌメノール伝説の紹介
*Miryam Libran-Morenoの論文「Paralle Lives: the Sons of Denethor and the Sons of Telamon」
*ローマの詩人ウェルギルウス作のアイネーイスの紹介
*Sacred Textにある、「アイネーイス」の英訳

2 トールキンとシェークスピア

関連資料
*シェークスピアの「マクベス」の紹介
*シェークスピアの「マクベス」の全文
*Michael D. C. Droutの論文「Tolkien's Prose Style and its Literary and Rhetorical Effects」


3 さらなる影響、トールキンとスペンサー、ミルトン

関連資料
*スペンサーの紹介、「Fearie Queene」や他の詩
*Zach Watkinsの論文「Satan and The Silmarillion: John Milton's Angelic Decline in J. R. R. Tolkien's Melkor」

先週の復讐かと思うくらい、資料が多いです。くそこのやろう(Fimi先生は女性ですが)全部読めませんわ。
では、明日続きを書きます。

category: トールキンオンライン講座 第六週

[edit]

page top

3 別世界ケルトと短い作品 関連資料と5週のまとめ

* Fimi先生論文 「Celtic Types of legend」
また概略を記します。

1930年代に書かれた「Lost Road」にも、アイルランド神話の航海(immram )伝説の影響が見られる。さらに、1924年の「The Nameless Land」という詩に見られるように、トールキンは既にケルトのotherworld(orbis alia)とヴァリノアのパラレル関係を見出していた。
こうして、トールキンはケルトの伝統を彼の神話の中に組み込むことによって、キリスト教以前の異教徒的なotherworldを確立しようとしたのである。

そのotherworldとはアングロサクソンの世界にも見られるもので、ベーオフルフでも「本当のエルフが住む地」として仄めかされている。この地がトールキンの「イングランドのための神話」の中心となる。「The Lost Road 」は、トールキンがアイルランドの伝統を北ヨーロッパの神話と伝説の一部として受け入れた、初めてのものだと言える。

また、トールキンは、「サーガウェインと緑の騎士」の研究において、この詩は、古いフランス語が原典となっているものだとして、フランスの影響を認めている。

そして英国のアーサー王伝説は、ケルトを源泉に、フランスにおける再構成と、中世英語のコンテキストが混じりあったものだとしている。 トールキンは、アーサー王伝説について、その歴史的な源がどこであるかにかかわらず、それがイングランドの文化的、また神話的な遺産であると認識していた。

こうした、アーサー王的な要素が最も顕著に見られるのは、「べレンとルーシアン」の物語だろう。

例えばLay of Luthienに見られる「fay(妖精)」という言葉はフランスのアーサー王ロマンスによく見られるものだ。このfayはルーシエンに対しても、またその母のメリアンに対しても使われている。

ブリテン島の場合は特に複雑な侵略の歴史があり、言語的にも交じり合っていることから、中つ国の神話を創作するにあたっては、こうした複雑な過程がその中に、意識的であるかどうかにかかわらず、反映されているのだろう。

*論文「the Hsitoricity and Historicisaion of Arthur」

イギリスにおけるアーサー王に関する諸説を纏めたもの。
アーサー王を歴史上の人物と見なすか、伝説における神が人格化されたものと見なすか?
といった命題を中心に、かなり細かい部分まで論議されています。アーサー王伝説に興味のある人にとっては、非常に面白い論文だと思います。筆者の意見では、アーサー王はむしろ「神が人格化」されたものだとしています。

ついでに5週のまとめを書いておきます。

トールキンの主張とする「イングランドに伝わる本当の妖精伝説」はLost Talesの中に書かれています。
それは、
「トル・エレッセアに住むエルフ達が人間に住む場所を奪われ、だんだん形が小さくなって薄くなって、いつしか月影の中に時折見られるような存在になってしまった。それが妖精だ」
というものです。

ただしこのコンセプトは結局破棄されています。そして、何故このコンセプトが破棄されたか?という疑問に対する回答が、Fimi先生の論文の中にあるわけです。

おそらく書簡集等の言葉から、トールキンはケルトやフランス的なものを否定していたとされる事が多いのですが、生涯を通してそうであったわけではない、と主張するFimi先生の論文はなかなか面白いです。私がここにまとめたものは、ほんの一部分です。内容はもっと多岐に渡っていて奥深いものでした。





category: トールキンオンライン講座 第五週

[edit]

page top

2 「Mad Elves and Elusive Beauty」

*Fimi先生の論文「Mad Elves and Elusive Beauty」

長いので概略を書きます。

19世紀の終わりから20世紀の初頭にかけて、アングロ・サクソニズムが国家的な動きとして台頭したが、この傾向が大英帝国がゆっくりと衰退に向った動きに伴っていることも、けして偶然ではないだろう。
一方、アイルランドの復活主義者は、アイリッシュの国民性と文化のアイディンティティを、妖精と妖精民話に結びつけ成功した。しかし、そこにはアイルランドの妖精とイングランドの妖精とを対比させる動きもあった。
Bownが誇張して言うように、「イングランドとアイルランドでは、果たしてどちらにより良い妖精がいるのだろうか?」といった論議にまで至った。

トールキンはこうした論議に対し、「本当の妖精の伝統はイングランドにある」としていた。また自身の創作した神話は、まったくケルトの妖精物語に対峙するものだとしている。だが、後年になると、トールキンは「イングランドの妖精は、ケルトやその他の寓話から大きな影響を受けている」とも書いている。

トールキンは、1930年代に「The Lay of Aotrou and Itroun」という詩を書いている。ケルトの国家であるブリタニーの民話にインスパイアされたものである。また「The Fall of Arthur」 、「The King of the Green Dozen」という二つの未完の詩も書いている。どちらも明らかにケルトの影響が見られるものである。

そしてトールキンが初期に書いた「The Book of Lost Tales」は、「Lebor Gabála Érenn(アイルランド来寇の書)」の枠組みを借りて書かれたものであり、その中で描かれる歴史は、イングランドの民族の侵略をともなった歴史と呼応している。

トールキンはそうした自らの神話の中に、大きくアイルランド神話の要素を取り入れている。そしてトールキン自身のケルトに対する見方も次第に変化が見られるようになる。つまり、ケルトをアングロサクソンの敵としてみるのではなく、共に海からブリテン島に入植した侵略者であり、共に同じ土地に住む民族として捉えるようになったのだ。

それはトールキン自身の次のような言葉からも分るだろう。

For many of us it [i.e. Welsh] rings a bell, or rather it stirs deep harp-strings in our linguistic nature. In other words: for satisfaction and therefore for delight ... we are still 'British' at heart. It is the native language to which in unexplored desire we would still go home (Tolkien
1983a, 194).

長い間、私たちはウェールズ語を、私たちの音韻的な本質の中に、鐘を鳴らす、あるいは深いハープの音をかき鳴らすもののように捉えていた。つまり、満足があり喜びを伴うもなのだ。…私たちはまだ心のうちで「British」なのである。それは私たちの探究心が求める母国語なのだ(適当に意訳しました、ごめんなさい)。

category: トールキンオンライン講座 第五週

[edit]

page top

2 関連資料 ノルドールとトゥアハ・デ・ダナーン


* ケルト神話の概略
ケルト神話はだいたいアイルランドとウェールズに伝わるものを指すようですが、ケルトの人々(民族的に見て)は、紀元前5-3世紀頃(最盛期)には、アイルランドからスペインの一部、ハンガリー、チェコスロバキア、また北のスコットランド、イタリアまで広がっていたらしいです。

アイルランドとウェールズには、早々とキリスト教が伝わり、5世紀には既にケルト教会が設立されていました。
アイルランドには比較的多くのものが書き残されています。
代表的なものが下記で説明する「トゥアハ・デ・ダナーン(Tuath De Dannan)」の伝説です。
ウェールズのものは口承で伝えられることが多く、残された文献は少ないようです。
しかし中世の「アーサー王伝説」は、ウェールズの神話と結びついていると書かれています。

ケルト神話に関する日本語のHP
http://www.h4.dion.ne.jp/~kotozuki/
の中の「神話概説」の項目にあります。

*Sacred Textにあるアイルランドの神話より「トゥアハ・デ・ダナーン(Tuath De Dannan)」の話

神話というか、割と素朴な民話と民族間の戦いがごたまぜにになった感じの話です。
特筆すべき事は、この中にシルマリルに出てくるノルドールエルフのモチーフとなったと思われるものがあることです。

例えば、
戦場でダーナ神族のNuaduが片手を失い、同時に王権も失ったこと。
(マエズロスのエピソード)
ダーナ神族は船でアイルランドに向うが、たどり着いた岸でその船を燃やしてしまうこと。
(ロスガールの船焼き)

です。ケルト神話はあまり読んだことがなかったので、ノルドールとケルト神話との間に関連性があるとは思っても見ませんでした。これは新鮮な発見でした。

*Fimi先生の論文「Mad Elves and Elusive Beauty」

長いので明日にします。

category: トールキンオンライン講座 第五週

[edit]

page top

1 トールキンと「ケルト的なもの」

今回は特に関連資料は無いのですが、Fimi先生の講義内容をまとめます。

トールキンは、その書簡の中で、ケルト的なものを否定している時がけっこうあります。
しかし、実際にはトールキンの所蔵には、ケルト語に関する書籍だけでなく、アイルランドやウェールズのケルト系の中世文学が大量にあったようです。トールキンは独学でウェールズ語を学び、「Mabinogion(ケルトの神話)」の原書を一部読むこともできたようです。ただし、アイルランド語に関してはまったく駄目だったらしいです…。


つまりトールキンは並々ならぬ興味をケルト文化に対して抱いていたのです。それは、「アーサー王伝説」とも関連のある「サー・ガウェインと緑の騎士」の翻訳にも表れています。
また、ケルトに関する関心は、トールキン教授の未稿「Notion Club Papers」の登場人物の一人、しかもトールキン自身を反映しているという“Ramer”が、フィン・ウゴル言語学の教授でありロマンス小説の作家であり、ケルト語と古物にも興味があるという事にも見られます。

ただしトールキンは

「the Engle(English) have the true tradition of the fairies, of whom the Iras(Irsh) and the Wealas ( Welsh) tell garbled things" という具合に、妖精の本当の伝統はイングランドにあるのだと主張します。

アイルランドやウェールズはどう考えても妖精の本場のような気がするんですが?

というわけで次に進みます。

category: トールキンオンライン講座 第五週

[edit]

page top

第5週 トールキンとケルト

第5週 です。

トールキンとケルトについてです。

講義内容は

1 トールキンと「ケルト的なもの」

関連資料
特になし

2 ノルドールとトゥアハ・デ・ダナーン

関連資料
* ケルト神話の概略
*Sacred Textにあるアイルランドの神話より「トゥアハ・デ・ダナーン(Tuath De Dannan)」の話
*Fimi先生の論文「Mad Elves and Elusive Beauty」

3 別世界ケルトと短い作品

関連資料
*論文「the Hsitoricity and Historicisaion of Arthur」
*Fimi先生の論文「Celtic Types of legend]

今回は関連資料が少なくて助かりました。

category: トールキンオンライン講座 第五週

[edit]

page top

3  ベオウルフとドラゴン関連資料



*Sacred TextにあるFrancis B. Gummereによるベオウルフの英訳の一部
読んでません。
ベーオウルフに関してはThaunさんの、Rivendellのサイトに詳細が書かれています。とても参考になります!

*Sacred TextにあるHenry Adams BellowsによるFafnismalの英訳
読んでません

*Dr. Alaricによる「The Lord of the Rings and its Medieval Origins」の講義
半分ぐらい読みました。

ところで、「Sacred Text」というのは下記のサイトにある文献のことを指して言ってるみたいです。
http://www.sacred-texts.com/
膨大な量の神話や民話がアーカイブされています。日本語でこれがあったらどんなに素晴らしいことか、悔やまれてなりません。古すぎて著作権がないものも一部あるので、そういったものは引用したりダウンロードしたりできるようです。

そしてこのサイトの中にトールキンの項目がありました。
http://www.sacred-texts.com/ring/index.htm
トールキンの作品はもちろんなくて、関連するベーオウルフや、古英語の資料が集められています。

ともかくこれらの文献を読んでいたら、講義にまったく追いつけなくなるので、時間が出来た時に読もうと思っています。恐ろしいことですが、もう5週の後半に入っているはずです。私今これ書いてますねえ…。がんばって追いつきます。

いろいろ抜かしてますが、四週目まとめとして、

トールキンの作品の中には、さまざまな北欧関連の素材を見つけ出すことが出来る。
特に、ローハン関連は、ベーオウルフの中に描写されるアングロサクソンを意識したものであること。
また、トールキンは竜に特別な関心を抱いていたこと。
特に、ウィリアムモリス英訳によるヴォルスンガ・サガのシグルドとファフニールの会話はトゥーリン・トゥランバールに影響を与え、
Younger Eddaの一つである、「Fafnismal」のシグルドとファフニールの会話は、ホビットに影響を与えている。

読み比べてみると、似てる!!と思います。
特に「ホビット」は、スマウグとビルボの掛け合いの会話のところです。

それと、余談ですが、「バイキングの伝統」では、死者は呪術的な力を持っていて、睨まれたりすると呪われたり、災いがふりかかると思われていたそうです。だからご臨終の方がいらっしゃったら、背をむけたまま近づいて、目と口と鼻腔を閉じたらしい。

グラウルングが死に際に、側にいたトゥーリンに重大な力を及ぼしたことも、こうした要因を意識したものかもなあと思いました。




category: トールキンオンライン講座 第四週

[edit]

page top

オンライントールキン講座 受講メモ12 BBCのアダム・トールキンのインタビューHTTP訂正

BBCによる、アダム・トールキン氏へのインタビュー
すみません。繋がってなかったようです。

http://www.bbc.co.uk/mediaselector/check/player/
nol/newsid_6560000/newsid_6562100?redirect=6562161.stm&news=
1&bbwm=1&bbram=1&nbwm=1&nbram=1

です。スペース無しで繋げてアドレスに貼り付ければ表示されます。

category: トールキンオンライン講座 四週HTTP訂正(BBC)

thread: 勉強日記

janre: 学問・文化・芸術

[edit]

page top

オンライントールキン講座 受講メモ11 (2)カレワラとヴォルスンガ・サガ:トゥーリン・トゥランバールの物語

*ホートンミフリン社の「the Children of Hurin」のプレスリリース
*トールキンエステートのサイト
*ハーパーコリンズ社の「the Children of Hurin」のトレーラー
上記はほどんどが、「the Children of Hurin」のプロモーションですね。ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。

*BBCによる、アダム・トールキン氏へのインタビュー
http://www.bbc.co.uk/mediaselector/check/player/nol/newsid_6560000/newsid_6562100?redirect=6562161.stm&news=1&bbwm=1&bbram=1&nbwm=1&nbram=1

わあ、トールキンが少し映ってます。評判通りの早口でさっぱり何言ってんだかわかんない(笑)。お孫さん(アダムはクリストファーの息子です)、若かりし頃のトールキンに非常に似ています。そしてやっぱり孫も何言ってんだかわかんない!!

*英訳「カレワラ」の「クッレルボ」の章
前述の小泉さんの訳とこの英訳とを対照しながら少し読んでみたのですが、内容、行、構成ともほぼ同じでした。という訳で英訳を読むのはやめました(笑)。そして、なぜカレワラの中でも「クッレルボ」なのかと言うと、この「クッレルボ」は「トゥーリン・トゥランバール」のモデルだからです。トゥーリンとクッレルボの性格というか行動が非常に似通っていて驚きます。

*ヴォルスンガ・サガの概略
ヴォルスンガ・サガに関しては、デヴィッド・デイの「トールキン 指輪物語伝説―指輪をめぐる神話ファンタジー 」にあります。これで大体の内容はつかめると思います。けれども、ここで紹介されている文献は、ドイツのニーベルング伝説との比較まで行っているので、これまた一興です。トゥーリンがグラウルングを殺すシーンは、シグルド(ニーベルングではジークフリート)が竜を殺すシーンに似通っています。トールキンはもちろん意識してこのエピソードを物語の中に組み入れたというわけです。

*Sacred Textにあるウィリアム・モリスによるヴォルスンガ・サガの英訳
あまりに大量なので、読んでません。講義が終わってから読むことにします。

category: トールキンオンライン講座 第四週

thread: 勉強日記

janre: 学問・文化・芸術

[edit]

page top

オンライントールキン講座 受講メモ10 (1)北方の高貴な精神(That Noble Northern Spirt)の関連資料

*Paul Briansによる「ロマンティシズム」についての論文(冒頭のみ)

まず、ロマンティシズムというムーブメントは、18世紀後半に、イギリス、ドイツで始まり、1820年代ごろにはすっかりヨーロッパに広まったとあります。それは、詩、演劇、絵画、音楽といったあらゆる芸術に影響を及ぼし、その形を変えた。そのムーブメントの発端は、グリム兄弟が妖精関連の民話を収集したことにあるとされています。芸術が、そうした民衆を意識するようになったことがロマンティシズムの始まりだったという…、掻い摘んで書けばそういう感じだと思います。

そして、こうしたロマンティシズムの中で、北欧神話や、ケルトの文化が再発見された。その影響は当然トールキンの作品にも出ているだろうということです。

*J. Case Tompkinによる「the Homecoming of Beorhtnoth Beorthelm's Son」
「「the Homecoming ofBeorhtnoth Beorthelm's Son」は、トールキンが、断片しか残っていない古英語詩「the Battle of Maldon」を題材にして書いたものらしいです。
この論文は、その詩がいかに

きちんとした古英語で書かれ、
かつ、アングロサクソンの詩の形式をきちんと踏襲しながらも、
言語と形式において、現代に通用させるための調整が行われているか。

を解説したものです。J. Case Tompkinは、「トールキンを現代の作家としてとらえず、彼を現代のアングロサクソンとして考え始めれば、彼の作品をもっとよく理解できるようになる」
と書いてます。

細かい作詞法まで述べられているので、正直読むのが辛かったです。

category: トールキンオンライン講座 第四週

thread: 勉強日記

janre: 学問・文化・芸術

[edit]

page top

オンライントールキン講座 受講メモ9 第四週

今回は、カレワラ、ヴォルスンガ・サガ、ワルキューレ伝説、ベオウルフなど、さらにつっこんだ展開となっています。去年に刊行された「the Children of Hurin」に関する記事も多くて面白いです。

まず
1 北方の高貴な精神(That Noble Northern Spirt)
関連資料
*ロマンティシズムについての論文。その源や性質、発展等についてまとめられたもの。
*トールキンが書いた「the Homecoming of Beorthtnoth Beorththelm's Son」という現代的なアングロサクソン詩に関する論文

2 カレワラとヴォルスンガ・サガ:トゥーリン・トゥランバールの物語
関連資料
*ホートンミフリン社の「the Children of Hurin」のプレスリリース
*トールキンエステートのサイト
*ハーパーコリンズ社の「the Children of Hurin」のトレーラー
*BBCによる、アダム・トールキン氏へのインタビュー
*英訳「カレワラ」の「クッレルボ」の章
*ヴォルスンガ・サガの概略
*Sacred Textにあるウィリアム・モリスによるヴォルスンガ・サガの英訳

3 ベオウルフとドラゴン
関連資料

*Sacred TextにあるFrancis B. Gummereによるベオウルフの英訳の一部
*Sacred TextにあるHenry Adams BellowsによるFafnismalの英訳
*Dr. Alaricによる「The Lord of the Rings and its Medieval Origins」の講義


また明日にでも続きを書きます。

category: トールキンオンライン講座 第四週

thread: 勉強日記

janre: 学問・文化・芸術

[edit]

page top

オンライントールキン講座 受講メモ8 第三週のまとめというか

 真の伝統の創造(invention)としての「Lost Tales」

という三番目の項目には関連資料がないんですが、とりあえずFimi先生が書かれた内容をまとめておきます。

ところで、「the Book of Lost Tales」について詳しく書かれている日本語のサイトがあればいいんですが、見つからないです。指輪好きなひとでも、あんまり読まないのかな?

とりあえず

「Lost Tales」は、シルマリルの原型であり、同じエピソードも多く見られるのですが、決定的に異なるのは、この物語が現実に繋がる「枠組み」を持っているという事です。

まず、エリオルという登場人物がいるのですが、初期バージョン(未完なので、色々バージョンがある)では、この人の子供は、彼等の父(あるいは祖先)にちなんで「Hengest and Horsa」と名付けられています。
「Hengest and Horsa」については、
http://www.asahi-net.or.jp/~aw2t-itu/enghist/oe.htm
のサイトが参考になるでしょうか?いきなりアングロサクソン語が流れてくるすごいサイトです。しかしリンクフリーなのか分らない。無断ごめんなさい。

という訳で、シルマリルや指輪、特に指輪物語などは雰囲気は確かに英国なのですが、現実的な繋がりはありません。ですが、「Lost Tales」はこのエリオルという人物によって、イングラントの地と人に繋がっているわけです。

初期バージョンでは、このエリオルの生きた時代が、ブリテン島にアングロサクソン人がやってきた頃になっていて、後期バージョンでは、ノルマン征服の頃になっています。
(だからFimi先生はこの頃に関する文献をたくさん紹介なさった訳です。)

ですが、指輪物語を執筆した後にトールキンがこのエリオルの物語に戻ることはありませんでした。Fimi先生の講義でも、、シッピー氏の論文でも、この時点で、トールキンは「英国の神話」を創作することは諦めたのだと書かれています。

その論拠は、1951年Milton Waldman宛のトールキンの手紙の中にある
「“Do not laugh! But once upon a time (my crest has long since fallen) I had a mind to make a body of more or less connected legend…”」
です。

だったらシルマリルは一体なんのために書かれた神話なんだろう?と私は思いました。シッピー氏は「anyoneのため、」と書かれていますが、その論拠はどこにあるんだろう。シッピー氏の論文の中のどこかにあるのでしょうか?
しかし、講座で紹介されているシッピー氏の論文を読むのだけでも、大変です。シッピー氏の論文読んで一生が終わったらどうしてくれよう。






category: トールキンオンライン講座 第三週

thread: 勉強日記

janre: 学問・文化・芸術

[edit]

page top

オンライントールキン講座 受講メモ7 (2) トールキンの神話プロジェクトに関する関連資料

*Billie Melmanによる「Claiming the Nation's Past」
またまた長い論文です。
主に19世紀中頃にあったイングランド内の学会、あるいは学識者の風潮に関することが中心に書かれています。

少し話が外れますが、日本からみた一つの国家イギリスは実際はイングランド、ウェールズ、スコットランドの合体したものです(アイルランドはまた複雑みたいなのでちょっと外します)。これらの合体がブリテンです。歴史的に見て、イングランドの人たちは大陸から渡ってきたサクソン人が祖先となっています。

このサクソンの伝統を見出そうというある種のムーブメントが生じたのが、19世紀中ごろだったというわけです。19世紀中ごろの作家や歴史学者達が注目したのが、1066年のノルマン征服以前のアングロ・サクソン人の時代です。特に当時の作家達はアングロ・サクソンの英雄を劇的な物語として書くことに意義を見出したらしいです。

劇的な物語として、英雄の私的な面を描くことによって、それ以前には表にでることのなかった面もでてきます。それは女性の描写であるとMelmanは指摘します。封建制度の下で、男性は公的、女性は私的、という図式があったようです。けれども、私的な女性を物語に描くことによって、女性も公的な位置に上がるわけです。同時にその他の下層とされていた階層も表面に浮上してきたとしています。それは19世紀半頃の時代背景の要求とも一致しています。

こうして、アングロサクソンの伝統は、19世紀半ばの作家達の作品が一般に広められることによって、その後のイングランドに強い伝統意識(むしろ精神や世界観といった方が近い気がします)に作用し、ある意味、伝統が創作されたのだということです。

この論文とトールキンの関連性は、Fimi先生によると、
「Lost Tales」の登場人物Eriol(エリオル)が生きた時代が、
*最初の頃の話では、サクソン人がブリテン島に移住した頃である。
*後の(変更した)話では、ノルマン征服頃である。

という事に基くものらしいです。

*ベオウルフに関する簡単な説明(Bullfinchの神話に関するサイトの記事)
ベオウルフの概要です。(書くの疲れてきました)。

*英国図書館のサイトのギャラリーにあるベオウルフ情報http://www.bl.uk/onlinegallery/themes/englishlit/beowulf.html

*Akseli Gallenのカレワラ関連の絵のギャラリー・サイト
http://www.niksula.cs.hut.fi/~xyu/kale-gb/gapic.html

category: トールキンオンライン講座 第三週

thread: 勉強日記

janre: 学問・文化・芸術

[edit]

page top

オンライントールキン講座 受講メモ6 (1)イングランドの神話についての関連資料

*Bascomによる「The Forms of Folklore」
・Myth ・ Legend ・ Folktale
上記の概念の定義を明確にするための論文。やたら長いです。色々と細かいことが書いてありますが、それぞれ日本語の「神話」、「伝説」、「民話」の概念に相当するものと解釈してほぼ問題ないような気がします。

*Benedict Andersonによる「Imagined Communities(抜粋)」
「想像された共同体」とでも訳せばいいのでしょうか?
国家とは、想像上の政治共同体である、と定義するものみたいです。昔、サブカルチャー的な雑誌を読むとよく「共同幻想」だの、吉本隆明だのというのが出てきました。(読んでませんが)
なんか関係あるんでしょうか?

*Hobsbawmによる「Invented traditions' in history(冒頭部分)」
伝統的な儀式や象徴は、近年になって造られたもの、あるいは再構成されたものが多いということ。

*MacphersonのOssian詩の偽造について
スコットランドの詩人マクファソンが、オシァン詩を偽造した件について書かれてます。
日本語でこの件に関してかいてあるサイトを見つけました。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/oisein/index.htm#under
http://www5b.biglobe.ne.jp/~moonover/2goukan/oisein/pres.htm

*IoIo Morganwgの人生について
ウェールズのエドワード・ウィリアムズ(IoIo Morganwg イオロ・モーガヌッグ))について書かれています。
今はウェールズで国家的な伝統行事となっているゴルセッズの創始者らしいです。
日本語で説明してあるサイト
http://aitech.ac.jp/~yoshiga/WALES/eisted.html

*ウェールズにおけるアイステッヅヴォッドの伝統儀式
上記のサイトで参照できます。

*Michel Branchの「カレワラ」の記事の紹介
カレワラの概要が書かれています。
「カレワラ」は、日本では小泉保の邦訳が岩波文庫から出ています。この邦訳には成り立ち等も書かれてあるので参考になります。
余談ですが、去年12月に読売ホールで新田ユリさん(だったっけ)指揮のオケがあって、シベリウスのクッレルボ(カレワラの一部)を演奏されてました。このオケの前に小泉さんが少しカレワラについて講演されてて、面白かったです。演奏も素晴らしかった。

もう一人、女性の方(名前忘れました)がやはりカレワラについて講演されていたのですが、彼女によると、カレワラの素材として集めた中には、フィンランドではなく他の地域から収集されたものが結構あるらしいとの事でした。政治的な内容も含まれていたようなので、あまりよく分らないのですが。

*シッピーによる論文「トールキンとアイスランド」

これもものすごく長い論文なのですが、結論的には、

トールキンは、「現代(トールキンの生きている時代の現代)のアイスランド語と、北方言語(北欧の言語)は、古くは同じ言語であった。そして、同じ言語であった元の言語とは、まさしくアングロサクソン言語である古英語なのだ。だから、アイスランドの神話や、北欧神話を古英語で書けば、それがイングランドの神話になるはずだ」と考えて、アイスランドや北欧神話を元にイングランドの神話を書こうとした。

という、凄いものなんですが、実際にホビットやシルマリルの中に出てくる名詞を例に挙げて細かく説明されるとなんか納得してしまいます。

凄いなシッピー!!

長くなったので続きます。

category: トールキンオンライン講座 第三週

thread: 勉強日記

janre: 学問・文化・芸術

[edit]

page top

オンライントールキン講座 受講メモ5 第三週

今週はトールキン教授の「ホビット」以前の作品「Lost Tales」が中心となります。
「Lost Tales」はHoMeの1,2巻に相当するのですが、邦訳がないので、日本人には辛い。私は数年前に読みました。そして今では内容を忘れています。

「Lost Tales」は、イングランドの神話を書く(編纂する)目的で書き始めたものです。ですがトールキン教授は途中で執筆を断念しました。断念したものの、Lost Talesに書かれている内容は、後の「シルマリルの物語」に受け継がれているので、完全な失敗作として没にした訳ではないようです。

そこでFimi先生の講義は下記のテーマに分かれます。

1 イングランドの神話について
関連資料
*Bascomによる「The Forms of Folklore」
*Benedict Andersonによる「Imagined Communities(抜粋)」
*Hobsbawmによる「Invented traditions' in history(冒頭部分)」
*MacphersonのOssian詩の偽造について
*IoIo Morganwgの人生について
*ウェールズにおけるアインステッドの伝統儀式について
*Michel Branchの「カレワラ」の記事の紹介
*シッピーによる論文「トールキンとアイスランド」
2 トールキンの神話プロジェクト
関連資料
*Billie Melmanによる「Claiming the Nation's Past」
*ベオウルフに関する簡単な説明(Bullfinchの神話に関するサイトの記事)
*英国図書館のサイトのギャラリーにあるベオウルフ情報
*Akseli Gallenのカレワラ関連の絵のギャラリー・サイト
3 真の伝統の創造(invention)としての「Lost Tales」
関連資料は無し。


これ以上は長くなるので、今週の講義について何回かに分けて書きます。

category: トールキンオンライン講座 第三週

thread: 勉強日記

janre: 学問・文化・芸術

[edit]

page top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。