ENDOR雑記

束、洋書関連の個人的メモ書き。

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Wilde Stories 2009: The Year's Best Gay Speculative Fiction

http://www.amazon.com/Wilde-Stories-2009-Speculative-Fiction/dp/1590210808
ジャンル:gay speculative fiction
日本では該当のジャンルはないようだ。ネット探してみてもこれと思える用語は見つからない。日本だと男性同士の恋愛物はたいがいジュネ、ボーイズラブ、腐女子対象の二次創作であり、書き手が女性なら読み手も女性だ。海外にも主にファンフィクといわれる二次創作の中に、腐女子向きのスラッシュというジャンルがある。

だが、それとは別に海外ではLGBT literatureというレスビアン、ケイ、バイ、トランスジェンダーを扱うジャンルがある。この一冊はその中のゲイジャンルであり、中でも、supeculative fiction(SFやファンタジーを包括してこう呼ぶらしい)の掌編を集めたものらしい。書き手も編集者も、ゲイかどうかまでは分からないが男性である。
だがら日本の腐女子の方にとっては、ああそこは萌ツボじゃない。そこじゃないのよと落胆するところが多々あるだろう。例えば、美男子に「やぎひげ」がついていたりとか、カップリングが宦官と小人だったりとか。

不思議な事に共通項もある。それは「やおい」つまり、やまなし、いみなし、おちなしの作品が多い事だ。もちろん短いながらもきちんとした構成を持つ作品もある。が、基本「雰囲気至上主義上等」であり、何を語らんとするかなど根本どうでもいい。ホラーっぽいもの、イスラム風のもの、現代物とバラエティに富んではいるが全体的には落ち着いたトーンで統一されている。編者のセンスが良いのだろう。2008年に最初のエディションが出版され、2010年までシリーズが続いているということは、多分に好評を博していると推測できる。夏の休日に読むには悪くない。

評点
読んでしまったクマ~度 ☆☆☆☆
もうこの世界に入ってしまいたい。もう現世には戻りたくない度 ☆☆☆
出家托鉢度 ☆
梵書度 ☆☆☆
バスタブ水没度 ☆☆☆
積んどく度 ☆☆☆
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Wicked and A Son of witch by Gregory Maguire

ジャンル:ファンタジー 大人向け


邦訳があまり日本語としてこなれていない様子だったので、原文を読んでみた。グレゴリー・マグワイアのオズシリーズ全体の構成は『Wicked』、『Son of a Witch』、『A Lion among Men』の三部作となる。今のところ、『Son of ~』まで読了した(Wicked以外邦訳はない)。

マグワイアはファンタジー作家としてはいまいちだなという印象。ファンタジーにおける異世界は徹底して魅力的でなければならないのだ。美しいものであれ、醜いものであれ。彼の描き出すオズの世界は、エメラルドシティにしろ、マンチキンランドにしろ、どれも何かしら侘しくて、ファンタジー読みは心がくたりと萎れてしまう。『Confessions of an Ugly Stepsister』の舞台であるオランダの描写の方がはるかに生き生きとしいて鮮明な映像を脳裏に残す。また、『Wicked』では、ストーリーも勢いよく流れたかと思うと、すぐに淀んでは読み手のリズムを狂わせる。作者が重点を置いているのは物語の構成ではなく、オズの異世界を通してエンボスの如くに浮き出される現代の複雑な人間社会なのだ。人種、宗教、政治、神話、そして家族。アイロニーをたっぷりと含んで描きだす筆の運びは実に辛辣だ。そして苦い。なるほど、挿絵がどこかしら、マックス・エルンストの銅版画に似ているのも頷ける。(劇団四季のHPからすると)西の魔女エルファバと北の魔女グリンダの友情に焦点を絞ったミュージカルを見て感動し、原作に挑んだ読者が幻滅するのも無理はない。

おそらく『Wicked』人気は、ミュージカルに負うところが大きいのだろう。最後の『A Lion~』を読まないうちに断定するのもなんだが、作品としては『An Ugly~』の方がよくまとまっている。
さらには、『オズ』シリーズはファンタジーであることを意識したせいか登場人物の類型化が見られる。残念なところだ。彼の魅力は少し斜め視線で捉えられた、それでいて厚みのあるキャラクタ造形にある(と思う)のだが、『Son~』となるとその厚みが半分ほどにまで薄くなってしまっていて宜しくない。

だが『Wicked』シリーズが面白くないかといえばそうではない。ファンタジーファンに対してはアピールに欠けるものの、日々量産される、型にはまりきったファンタジーにはない、つまりマグワイアにしか描き出せない「人」の姿が作品の中にあるからだ。

評点
読んでしまったクマ~度 ☆☆☆☆
もうこの世界に入ってしまいたい。もう現世には戻りたくない度 ☆
出家托鉢度 ☆☆☆
梵書度 ☆
バスタブ水没度 ☆☆
積んどく度 ☆☆☆

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