ENDOR雑記

束、洋書関連の個人的メモ書き。

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六月は春の終わり。 Against a Dwarrf その8







六月ですね。蚊が出てきましたよ……。


蚊に噛まれたら 右手で胸の前に十字を切り、左手で額に卍を書いて、

粘着剤のついた透明なテープを棚から取り出し、1.5cmの長さに切り、

ドラドラキュッキュと三回唱えた後に、

患部にその小片を貼るが宜しい。

アーメン。

以上、蚊に噛まれた時のおまじないである(自作)。要はセロハンテープを貼ることである。

これ割と効くんだけど、痒くなくなって存在を忘れて風呂に入るとセロハンテープが。湯の中で、排水口あたりで、


前置きは以上。

さて、本体のお呪いである。


A spider-thing came on the scene
with his cloak in his hand; claiming you for his horse,
he put his cord on your neck. Then they began to cast off from land;
as soon as they left the land they nonetheless began to cool.
The beast's sister came on the scene;
she stopped it, and swore these oaths:
that this should never hurt the sick one,
nor any who tried to take this charm,
nor any who should speak this charm.
Amen. Fiat.

拙訳


蜘蛛の様なものがマントを手にやってくる。
お前は私の馬だと言い張りながら、お前の首にひもを掛ける。

それから彼等は岸を離れ始める。岸から離れるや否や、ともかくも冷たくなり始める。
そこに獣の姉(妹)がやってきて、それを止めさせる。そしてこの宣誓を誓う。

これは病んだものを決して傷付けはしない。
このお呪いを受けんとするものを
このお呪いを唱えるべきものを

アーメン 然り



まずは、“a spider-thing(蜘蛛の様なもの)”は何かというところから。

原語は“spindenwiht”だそうだ。“spider-person”、“spider-creature”とも訳される。

ズバリ言いましょう。これはドワーフのことを意味しています。

なんでやねん。

何故かと言うと、“dwarf”と“ spider”は言語的に、フォークロワ的に繋がっているからよ。


Gay also points out a folkloric and linguistic relationship between dwarfs and spiders,:


Gayさんという方が、ドワーフと蜘蛛の言語的かつ民俗伝承的な関係を指摘されているというのだ。


ドワさんはスウェーデン語ではdvergとゆーらしいー。この言葉はドワさんそのものを指す以外にもspeder(蜘蛛)の意味があるらしい。

あと、ブルトン語、ウェールズ語、コーンウォール語(ケルト語の一種)でもcorといって、やはりドワーフと蜘蛛両方を指す。 

言語的なところでは、成程なーと思う。

しかし、“民俗伝承的”な説明および根拠が見つからない。見つけられない。

ヤコブ・グリムの「Deutsche Myhologie」が大元らしいが……。

困った。誰か教えて下さらんか。

……ともかく時間のある時にもう少し掘り下げて調べようと思います。


次は獣の姉(妹)。これ一体誰?

原語は“dweores sweostar”であるが、これは原本が非常に判読しがたい状態にある故の、読み違いではないかとマシューさんは仰る。

“dweores sweostar”を“dwarf's sister”ではなく“eares sweostar” すなわち“the sister Earr”と解釈する学者もいるらしい。

何故なら、(蜘蛛/ドワーフ)的な生き物の悪行を止めさせるものが、その生き物の妹(姉)だったりするはずがないからだ。そして、“the sister Ear”は、夜明けの女神 “Eástre”だろうと言う。

この夜明けの女神“Eástre”はゲルマンの神らしい。春の女神でもある。なんでも最近はやりの『イースター』の語源がこの女神さまだという。ウィキさんを貼っておく。

→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%A9%E6%B4%BB%E7%A5%AD

以上を踏まえてお呪いを再度解釈してみると

蜘蛛/ドワーフが、マント(蜘蛛の巣?)持ってやってきて、眠っているものの上に跨り、その者を馬にして(馬乗りになり、首にひもを掛けて苦しめ)、どこかに(海に? 夢の中に? 異世界に? )出て行こうとする、
すると、夜明けの女神がやってきて、それを止めさせ、苦しんでいる者を救う。

となる。

なるほど、細かい所はまず置いといて、大筋としてこのお呪いは“睡眠障害を克服するための自己暗示”だと納得できる。
 

ところで、“Eástre(エオストレ)”というと、アラゴルンの幼名エステルを思い出す束ファンもいらっしゃるだろう。

エステルはシンダール語で意味は“希望”。なんだかシンクロしているみたいで、けっこう嬉しい。

女神だけど……

女神だけど……!!





Against a Dwarf だいたいこんなところか。ふー。

次回はトールキンのお話を含めてまとめる予定でございます。


よろしゅうに。










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