FC2ブログ

ENDOR雑記

束、洋書関連の個人的メモ書き。

07/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31./09

The Cottage of Lost Playの暖炉の火


さてクリスマスアドベント。
こちらに参加いたしております→トールキンアドベントカレンダー
今回はLost Talesのはじまりのはじまり
The Cottage of Lost Playからです。
しかし、HoMe一巻を語ろうとすると、初期設定を一から紹介せねばならなぬのですが、
まあシルマリルの原型といってしまえばそうです。
しかしシルマリルの物語がさらなる物語で梱包されているのです。文学の用語でいうと枠物語。

それがエルフの島、トルエレッセアとエリオルの物語です。この枠物語、美しい包み紙はシルマリルというあまりにも大きな骨格を包み切れなかったようですが……。

HoMe一巻、一章のThe Cottage of Lost Playを読むと、とても不思議な気分になります。なぜならそこは慣れ親しんだ中つ国でも、神々が住まうヴァリノアでもない空気に満ちているからです。ビルボもフロドもいません……ホビットはまだ教授の世界にいないのです。でも、エアレンデルや、エルフの三支族、ノルドールの苦難など、後のトールキン神話の主要モチーフがこのころすでに登場し、後の物語がすでに芽生えていたことに驚きます。

エルフの島、トル・エレッセアにやってきた旅人エリオルと、かれを客として受け入れる、リンドとヴァイレ夫妻。
情景描写と語りの中には、トールキン独特の語感を持つ固有名詞がいくつか出てきます。

そうした言葉をいくつかあげてみましょう。

Alalminore or the “Land of Elms”,
アルミノレ「楡の地」
ノーム語ではGar Lossion,ガル・ロッション「花の場所」

Tombo, the Gong of the Children,
トンボ「「子供たちの銅鑼」

Room of the Log Fire
語りのための「暖炉の部屋」

Tale-fire blazing in the Room of Log
暖炉の部屋で燃える物語の火

the Sleeper in the Tower of Pearl
「真珠の塔に眠る者たち」

the Arbour of the Thrushes
「つぐみの東屋」
これは、ティヌーヴィエルの物語にも出てきましたね!

それぞれを説明していると、ブログがとても長くなってしまうので一つだけ取り上げましょう。

Lost Talesは、トル・エレッセアのエルフから旅人エリオルが物語を聞くといった形式になっています。
様々な場所で様々なエルフから話を聞くのですが、中心となるのが「Room of the Log Fire」
語りのための「暖炉の部屋」です。

これは、リンドとヴァイレ夫妻の館にある部屋です。
リンドとヴァイレは、トル・エレッセアの真ん中に位置する町の領主であり、この館はかなり広いようです。
そして、夜になると町の人々(エルフ)が集ってきます。食事と飲み物が振る舞われ、その後に語り手が物語を語る……。

一文を引用してみましょう。

‘That,’ said Vaire, ‘is the Tale-fire blazing in the Room of Logs; there does it burn all through the year, for ’tis a magic fire, and greatly aids the teller in his tale?but thither we now go,’

「そうです」
とヴァイレは言いました。
「これは暖炉の部屋で燃える物語の火です。一年を通して燃えているのは、魔法の火だからです。そして語りてを大いに励ましてくれるのです。でもいまはこちら(宴会の間)にいきましょう」


「指輪物語」のエルロンドの館の「火の広間」を彷彿とさせますね。
一年を通じて燃えている火も、ここで「物語の火(Tale-fire)」として登場します。
実際、読み比べてみると、とても似ている場所であることがわかります。

とても居心地のよい部屋で、心躍る物語を聞くことほど素敵なことはない……と思ってしまえますね!

エリオルのように、フロドのように、冬の長い夜をそんなふうに過ごせたらどんなに幸せでしょうか!!

声はなくとも暖かい部屋でお話しを読むことは今のわたしにもできること。
ほかほかの飲み物を用意したら夜の読書は至福でございます……。





category: 読書感想

[edit]

page top

« ラスト オブ ゴンドリン  |  トールキン夫妻の墓碑 ベレンとルーシエン »

コメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://mithrim.blog100.fc2.com/tb.php/138-5c4b5f33
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
page top