ENDOR雑記

束、洋書関連の個人的メモ書き。

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Cloud Atlas by David Mitchell

http://www.amazon.com/Cloud-Atlas-Novel-David-Mitchell/dp/0375507256
ジャンル:小説 SF 
六世代にわたる六本の物語をひとつに構成して見せた作品だ。よほど頭が良くなくては書けないだろう。天晴れというか、お見事というか。米アマゾンの評価も多い上に点数が高い。
もっとも「だからなに? 何が面白いの?」という評価もあった。分からないでもない。
この構成の妙をほうほう見事よのうと、楽しんで読めたことは読めたんだが、ここまで手の込んだ造りをしているのだから、最後に特別なメッセージが浮上したり、大きな図版が読み取れたりしないかとどこか期待してしまうのだ。もっともそれが出来たとすりゃ古典的名作に匹敵する作品になるわね。『ユリシーズ』とか『失楽園』とか『神曲』とかそんなんあなた無理よ……。

デストピアからUターンして、物語の最初に戻った最後に打ち出されるメッセージはポジティブかつシンプルなもの。
読み終えた後、今まで文明の先駆者でありいわゆる白人として世界を支配してきた白人種が、その支配を失いつつあることを嗅ぎ取り、その喪失を恐れる感情がこの作品の裏側に垣間見えるように思えた。ストロースの持つ熱帯へのあこがれとそれを壊した罪悪感のあとにくる西欧人独特の感情。自分たちの支配が揺らぎつつある時代に生きる彼らが感じる漠然とした脅威。そして、恐れつつも、やはりこの地球上の今なお支配者層として君臨する者のプライド、矜持。


評点

読んでしまったクマ~度 ☆
(難易度の高い単語が多くて読むのしんどかったという理由もある)
もうこの世界に入ってしまいたい。もう現世には戻りたくない度 ☆☆
出家托鉢度 ☆☆☆☆☆
梵書度 ☆
バスタブ水没度 ☆☆
積んどく度 ☆☆☆☆

点数が全体的に芳しくない一因に、日本人の私が読むのに辛い文章だというのがある。非ネイティブにとってはある種の苦行だわよ。なんで全体的にはもう一段底上げしてもOK。

category: 読書感想

thread: 読書感想文

janre: 小説・文学

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