ENDOR雑記

束、洋書関連の個人的メモ書き。

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白い城 by オルハン・パムク

オルハン・パムク
ちょっと前ぐらいに話題になっていたようだったので読んでみた。原書ではなく邦訳で。
お前が私私がお前といったコンセプトは特に目新しいものではない。物語世界を構成する概念の基軸はボルヘスの「不死の人」とほぼ同じだ。つまるところはその応用であり、ボルヘスの基本概念を東洋と西洋が出会う場所と時代に落とし込んで展開させるとこうなるといった感じ。
白い城が既存の作品群と際立っている点は(際立つ点がなけりゃノーベル文学賞などもらえないだろう)パムクが読者をあからさまに誘っていることだ。
読み終えたら、さあ物語の最初に戻って、傍線を引くなり、付箋をつけるなりして、この物語を解き明かしてごらんなさいと。
残念なことに、ウェブでざっとレビューを見た限り、パムクの誘いに応えた日本の読者はいないらしい。私もちょっとごめんなさいしてしまう。これ一冊の解読に費やす何十時間で、他の作家の本が何冊か読めるだろう。と思うとねえ。しみったれてるわね。ごめんなさい。
もっとも、パムクが日本で激しく売れたり、映画化してブームになったりすれば(つまり個人的な楽しみではなく何らかのコミュニケーション・ツールとなれば)そういう読みをして何十、いや何百時間費やそうと構わない人が出てくるだろう。まあそれはこの本とは何の関係もない時代の(日本の?)現象なのだけど。
謎解きまでしなくても、十分読み応えのある作品だ。また物語の末尾近くに提示される

「その種の物語を書き連ね、奇警を己のうちに探し求めるうち、われわれ自身のみならず――神よ守りたまえ――それを読む者も、まったく別のものに変じてしまうからです」

このセリフには一瞬胸を突かれた。ぎくりとなり、我に返った。才能に恵まれた一部の人にしか生み出せない一文だろう。中身ははったりなんだけどね。
だが私の個人的な嗜好からすると、この作品は少し饒舌が過ぎる。難解というよりは、晦渋な表現を選り好む傾向があって、それがあまり好きではない。

評点
読んでしまったクマ~度 ☆☆☆☆
もうこの世界に入ってしまいたい。もう現世には戻りたくない度 ☆☆☆
出家托鉢度 ☆☆☆
梵書度 ☆
バスタブ水没度 ☆☆
積んどく度 ☆☆


category: 読書感想

thread: 読書感想文

janre: 小説・文学

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