ENDOR雑記

束、洋書関連の個人的メモ書き。

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The Blade Itself (The First Law, #1) by Joe Abercrombie

ジャンル:エピックファンタジー
対象:青少年以上。
アマゾン→http://www.amazon.com/The-Blade-Itself-First-Law/dp/159102594X
2008年のキャンベル新人賞にノミネートされた作品。

概要

北方同盟に猛者として名を馳せた猛者ロジェンは、故郷も家族も全てを失い魔術師バラズの元に身を寄せた。宿敵ベセッド王の攻撃を受け、バラズと共に南の連合国へと向かう。連合国では、かつては英雄と謳われながら、敵に捕われ拷問を受け、今や不具で醜い審問官と成り果てたグローカが、腐敗し始めた政治の舞台裏で暗躍していた。折しもベセッド王が連合国に宣戦布告を行うが、官僚政治の悪弊に蝕まれる連合国側の対応は遅かった。民衆は平和を謳歌し、フェンシングの競技会で優勝した若き美貌の貴族ジャゼルに拍手喝采を惜しまない。ジャゼルは王主催の晩餐会に招かれる栄誉を授かるが、その席には、ロジェン、グローカ、バラズも同席していた。バラズの巧妙な策でもって、三人は太古に閉ざされた創造主の館の探索に同行を余儀なくさせられる。彼らがそこで見たものは……。

所感

First Rawトリロジーの第一巻。ようやく旅立ちが始まったというところ。
エピックファンタジーとしての典型に漏れず、古代から中世のヨーロッパをモデルとしたコンセプトなのだが、該当する時代を絞り込むことはちょっと難しい。連合国はローマ帝国と中世イタリアが混ざった感じで、北方連合はローマ帝国時代のゴート族か、はたまた中世の北欧バイキングか。フン族を彷彿とさせる種族も出てくる。まあ、視覚的イメージは『ベルセルク』だろう。冒頭からアクション、バイオレンス、残虐シーンが続けざまにあり、苦手な人は早々に本書とおさらばしてしまうかもしれない。

流血量もベルセルク並みかと思ったら後半さほどでもなくなる。さらなるハードアクションを期待される向きには、ちょっと肩すかしだろうか。流血量が減り、創造主の館が出てくるあたりからファンタジー色が濃くなるが、前半のハードなアクションからスムーズに流れているとは言い難い。展開が少し強引なのだろう。退屈よりはいいのだが。壮大なスケールで描かれる(予定の)トリロジー第一部なので、そこらへんは少し目を瞑るべきか。

この作品の長所は、キャラ造形が緻密で、各登場人物の個性が鮮やかな対比をもって描き分けられているところにある。ロジェンを軸としながらも、グローカ、ジャぜルが単なる脇役に収まることはなく、三者三様のドラマが展開される。それぞれの生い立ちと経歴を一気に捲し立てるのではなく、章ごとに少しづつ積み重ねて読者を引き込む手腕はなかなかのものだ。各場面、エピソードの積み重ねによって、それぞれの性格、考え方の違いがどのようにして生じたのか、よく理解できる仕組みになっている。彼ら以外の登場人物もかなり多いのだか、一人一人丁寧に描かれていて良い。読み易い文体ではないが、シリアスでダークな雰囲気がよく伝わってくる。

創造主の館のコンセプトも中々面白いのだが、基調色であるはずのダークトーンとバランスが今いち取れていない気がする。いかにもファンタジーな要素を入れました的な。壮大と言うか、畳何枚分かの大風呂敷が広げられた第一巻なのだが、この後、果たしてどのように展開、収束させるつもりだろうかという不安も過る。良くも悪くも読者に期待を持たせる一冊だ。


ところで、この作品のレビューをいくつかウェブで読んでいたら、『noir fantasy』という見慣れぬ言葉が使われていことに気付いた。どうやら2000年頃から使われ始めたジャンル名らしく、シリアス、バイオレンス、ダークな要素を含んだファンタジーを指すようだが、それではダークファンタジーとほぼ同義ではないか。違いは今一よく分らない。


物語の吸引力 ☆☆☆☆
ファンタジーの構築 ☆☆☆
説教臭さ ☆
もうこんなんはいらんみたいな ナシ 
びっくりしたなあもうみたいな ナシ
途中で読む気がうせたりしたみたいな(流血苦手な人には向かない) ☆




category: 読書感想

thread: 読書感想文

janre: 小説・文学

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