ENDOR雑記

束、洋書関連の個人的メモ書き。

08/1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30./10

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

[edit]

trackback: -- | comment: --
page top

3 別世界ケルトと短い作品 関連資料と5週のまとめ

* Fimi先生論文 「Celtic Types of legend」
また概略を記します。

1930年代に書かれた「Lost Road」にも、アイルランド神話の航海(immram )伝説の影響が見られる。さらに、1924年の「The Nameless Land」という詩に見られるように、トールキンは既にケルトのotherworld(orbis alia)とヴァリノアのパラレル関係を見出していた。
こうして、トールキンはケルトの伝統を彼の神話の中に組み込むことによって、キリスト教以前の異教徒的なotherworldを確立しようとしたのである。

そのotherworldとはアングロサクソンの世界にも見られるもので、ベーオフルフでも「本当のエルフが住む地」として仄めかされている。この地がトールキンの「イングランドのための神話」の中心となる。「The Lost Road 」は、トールキンがアイルランドの伝統を北ヨーロッパの神話と伝説の一部として受け入れた、初めてのものだと言える。

また、トールキンは、「サーガウェインと緑の騎士」の研究において、この詩は、古いフランス語が原典となっているものだとして、フランスの影響を認めている。

そして英国のアーサー王伝説は、ケルトを源泉に、フランスにおける再構成と、中世英語のコンテキストが混じりあったものだとしている。 トールキンは、アーサー王伝説について、その歴史的な源がどこであるかにかかわらず、それがイングランドの文化的、また神話的な遺産であると認識していた。

こうした、アーサー王的な要素が最も顕著に見られるのは、「べレンとルーシアン」の物語だろう。

例えばLay of Luthienに見られる「fay(妖精)」という言葉はフランスのアーサー王ロマンスによく見られるものだ。このfayはルーシエンに対しても、またその母のメリアンに対しても使われている。

ブリテン島の場合は特に複雑な侵略の歴史があり、言語的にも交じり合っていることから、中つ国の神話を創作するにあたっては、こうした複雑な過程がその中に、意識的であるかどうかにかかわらず、反映されているのだろう。

*論文「the Hsitoricity and Historicisaion of Arthur」

イギリスにおけるアーサー王に関する諸説を纏めたもの。
アーサー王を歴史上の人物と見なすか、伝説における神が人格化されたものと見なすか?
といった命題を中心に、かなり細かい部分まで論議されています。アーサー王伝説に興味のある人にとっては、非常に面白い論文だと思います。筆者の意見では、アーサー王はむしろ「神が人格化」されたものだとしています。

ついでに5週のまとめを書いておきます。

トールキンの主張とする「イングランドに伝わる本当の妖精伝説」はLost Talesの中に書かれています。
それは、
「トル・エレッセアに住むエルフ達が人間に住む場所を奪われ、だんだん形が小さくなって薄くなって、いつしか月影の中に時折見られるような存在になってしまった。それが妖精だ」
というものです。

ただしこのコンセプトは結局破棄されています。そして、何故このコンセプトが破棄されたか?という疑問に対する回答が、Fimi先生の論文の中にあるわけです。

おそらく書簡集等の言葉から、トールキンはケルトやフランス的なものを否定していたとされる事が多いのですが、生涯を通してそうであったわけではない、と主張するFimi先生の論文はなかなか面白いです。私がここにまとめたものは、ほんの一部分です。内容はもっと多岐に渡っていて奥深いものでした。





category: トールキンオンライン講座 第五週

[edit]

page top

« 第6週 トールキンと古典  |  2 「Mad Elves and Elusive Beauty」 »

コメント

page top

コメントの投稿

Secret

page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://mithrim.blog100.fc2.com/tb.php/69-2de9a26f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
page top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。