ENDOR雑記

束、洋書関連の個人的メモ書き。

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2 トールキンとシェークスピア 関連資料



*シェークスピアの「マクベス」の紹介
*シェークスピアの「マクベス」の全文
「マクベス」は有名なので割愛します。あの「バーナムの森」です(笑)。
トールキンのシェークスピア嫌いは有名です。シッピー氏は、当時オックスフォード大学では、シェークスピア以降の文学を教える一派と、古英語を教える一派との間で争いがあったという点に注目し、トールキンの当時の立場に言及しています。

が、ただ嫌いだったわけでもないのですね。
「マクベス」や「真夏の夜の夢」を深く読んでいなければ、そこからインスピレーションを得るということも無いですから。


*Michael D. C. Droutの論文「Tolkien's Prose Style and its Literary and Rhetorical Effects」
Michael D. C. Drout氏はアングロ・サクソン語の教授で、「Children of Hurin」が出たときにも、書評をいち早くブログ(http://wormtalk.blogspot.com/)に書かれていました。
実際、私は初めてDrout氏の論文を読んだのですが、これは非常に面白い論文でした。王権といったテーマを中心に、「リア王」と「指輪物語」の関連性を紐解くものです。

リア王、デネソール、ナズグルたちの首領との共通点を見事な三段論法で解き明かしています。私は三段論法の活用法を、ここで初めて理解しました。

リア王とデネソールの共通点は明らかです。では何故ナズグルの首領(Ring Wraiths)も共通とされるのか。

ナズグルの首領、すなわち指輪の幽鬼は、もともと人間であったとされています。人間達のうちでも高貴な王であった彼等がサウロンから与えられた指輪によって支配され、堕落したのです。Drout氏は、おそらく彼等はヌメノールの血筋を持つ王達であろうとしています。
確かにアルダに住むの人間達の中でも最も尊い血統はエアレンディルの血を引くヌメノール人です。

一方、デネソールにもヌメノールの血は流れています。もし、デネソールが何らかの手段で指輪を手に入れた場合、指輪の幽鬼と同じく指輪に支配され、堕落し、やはり彼も指輪の幽鬼と成り果ててしまう可能性が非常に高い。つまりデネソールは指輪の幽鬼の候補者であったということです。

そしてリア王と指輪の幽鬼の関連性は、次の台詞の類似性から導き出すことができます。

リア王
「Come not between the dragon and his wrath」

ナズグルの首領(指輪の幽鬼)
「Come not between the Nazgul and his prey」

リア王は自分自身を竜に見立てて比喩としていっているわけですが、この二つの台詞が良く似ていることは一目瞭然です。そして、この台詞はどちらも自分自身を失ってしまった王(元王)の台詞でもあるわけです。

このようにDrout氏は、リア王、デネソール、ナズグルの首領のトライアングルを解明しています。

さらには、上記のナズグルの台詞を文の構造から分析し、一見ただのアナクロニズムとして受け取られそうな(実際そう見ている人も多い)トールキンの文章は、実は自身の審美学に基いて構築された見事なものであることを証明しています。

シッピー氏といい、Drout氏といい、やはり名だたるトールキン研究者の論文は凄い!




category: トールキンオンライン講座 第六週

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